Vive memor mortis

採点:791点
HP:交響的円舞曲
作者:紅月 蓮

作品:Vive memor mortis

■評価■
物語力:7/10
文章力:8.6/10
総合力:7.9/10

コメント:
 非常に整った文章で、語彙の量も非常に多く、とても巧いと思います。語彙の量や、文章の書き方だけで判断するのであれば、文章力は9.5以上はあると思います。しかし、この作品においての文章力は8.6としました。何故なら、扱える語彙の量に溺れていて、適材適所に使われていないと感じたからです。500点前後の方に見受けられる、難しい言葉を無理して使おうとしている。という意味合いではなく、しっかりと語彙の意味を理解し、扱えていると思いますが、もっと簡単な言葉を使った方が、もしくは、もっと違う伝え方をした方が、より伝わるのではないか?と感じる部分が多かったからです。
 物語を読んでいて、十二国記が思い浮かびました。ファンタジーで重要な要素の世界観の構築ですが、先に挙げた十二国記は非常に優秀な作品だと思います。プロの作品と比較してしまうのは酷ですが、一番わかり易い伝え方になると思うので、あえて比較したいと思います。
 世界観の構築をしっかりとしていることは感じることができました。それは重要な要素で、申し分なく、世界観は組まれていると思います。しかし、深く厳しく意見を述べると、しっかりと世界観を組もうとしているというのを物語を読んでいて感じてしまいました。どういうことかというと、十二国記の場合、読んでいる間に、世界観をしっかりと組もうとしているのだなと感じるのではなく、読み終えた後、考えてみれば、凄いしっかりと世界観が組まれているといことに気付きます。考えられる原因としては、世界観を読者に伝える伝え方が、あまり巧くできていないのだと思います。読者を巧くその世界に引き込み、その上で世界観を伝える。というのが大切だと思います。読んでいる途中に、そう感じさせてしまうのは、どこか説明的で、物語に引き込むことができていないのだろうと思われます(曖昧ですみません。何回か読み直したのですが、決定的な原因が掴めなかったので)。
 登場人物に色をつけようという努力は見えましたが、紅月 蓮さんの文章技術を考えれば、もっと巧いキャラの色付け(見せかた)をできると思います(文章的にという意味では無く、キャラの色を出すための場面作りや動き)。現状では、いまいち、キャラクターの色を見出すことはできませんでした。
 文章は非常に優れていると思いますので、物語組みや、物語の見せ方を工夫すれば、とても、素晴らしい作品作りをできると思います。


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