コインドリンカー

採点:794点
HP:
作者:ヤマ

作品:コインドリンカー

■評価■
物語力:8./10
文章力:7.8/10
総合力:8/10

コメント:
 文章の描き方、物語の構成共に、非常に面白いモノでした。物語の性質上、文章力の評価は中々し辛かったのですが、物語の描き方から考えると、適切な文章表現だったと思います。
 これ以降はネタばれを含みます(ネタばれしなければ評価を書きづらかったので)。これは私の理解力不足かもしれませんが、主人公が女だというのに最後の方まで気がつきませんでした。一人称小説で、私と使っていましたが、文章体から主人公は男だと勝手に決め付けていました。あと、序盤出てくるシーンで出てくる登場人物を『教官』としていましたが、昼休みや、放課後という単語が出てきていたのに、何故、『先生』や、『教師』ではなく、『教官』という単語を使ったのか、それに意味はあるのでしょうか? 私は教官と聞くと、教習所や、軍隊などを思い浮かべてしまい、今いち舞台が想像し辛かったです。まして、保健室や制服という学校を連想する単語が出てきていたので、私だけかもしれませんが、学校といえば、教師・先生というイメージがあるので……。
 序盤から読者を引き込み、そのままラストまで持っていく。とてもよくできた構成だと思います。しかし、よくできた構成なだけに、ラストが残念でした。批評板でもラストについて、触れている方がいましたが、現状としては、『普通そんな理由で刺されるか?(勝手に引用してすみません)』そう感じざる終えません。でも、私はラストを変えた方がいいとは思いません(むしろ、今のラストは素晴らしいと思います)。なんというか、私が感じたのは、『普通そんな理由で刺されるか?』というのも少なからず感じましたが、刺された事実にそれほど違和感を感じ無いかなぁとも思ったのです。巧く表現できず、思いっきり矛盾していますが、どういう意味かというと、普通の物語の流れで、刺されていたら、きっと、『普通そんな理由で刺されるか?』と感じざる終えないと思いますが、この作品に関しては、そこに至るまでの流れで、独特の世界観が構築されているので、そう感じさせない・感じないつくりになっているとも感じました。しかし、今の状態では、やはり、そんな理由で刺されるか?という感が、少なからず感じてしまうので、意図的にそうしたのかはわかりませんが、その不気味な世界観の構築が甘いのだと思います。その不気味な世界観をさらに演出し、もっと読者を引き込むことができれば、きっとラストのシーンも、すんなりと、その動機に矛盾を感るのではなく、不気味さを感じ取ってもらえると思います。  あと、空白の日に、もっと意味や深みを持たせる演出があったら、より物語に深みがでると思います。

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