★月下の狩人 ★
採点：682点
ＨＰ：怖い話＆ファンタジー
作者：1ジュール

作品：月下の狩人

■評価■
物語力：6.8/10
文章力：6.5/10
総合力：6.7/10

コメント：
　起承転結と物語の順序組みはしっかりと組み立てられていると思います。しかし、起承転結が作られている割には、おもしろみが感じられませんでした。ネタばれを防ぐために深くは触れませんが、まず、序盤でしかけた仕掛けが、全く、仕掛けとしての機能を果たしていないように思います（無理矢理過ぎるというかなんというか）。物語の中で、仕掛け（一般的には伏線という物でしょうか？）は大切な要素ですが、機能していない仕掛け、意味のわからない仕掛け、強引な仕掛けは、無い方がましです。起承転結のわかり易い構成組みなだけに、起承転結一つ一つをしっかり描いた上で、その起・承・転・結、ぞれぞれの繋がりも巧く描けば、同じ材料、同じ展開でも、もっときちんとした作品になると思います。現状では、伏線も強引ですし、展開や材料が活きていないように思います。
　もっと登場人物に色を付け、登場人物の関係もキチンと描くといいと思います（無駄に多く書くという事ではなく、巧い表現や、やりとりを考えてという意味合いで）。物語の中で、レベルを低くさせてしまっている原因の、大きく目立った一つを挙げると、一部ネタばれを含みますが、森の掟の部分です。主人公にとっての森の掟の位置付けがいまいちわからないだけに、親友を見捨ててまで守ったのに、親友が死んだら、あっさりと破ってしまう。もうすこし森の掟の重要さを描き、それを破るのであれば、その葛藤を描かなければ、主人公の感情の変化が無理矢理なモノになってしまい、物語の質を落としてしまいます。


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